コロナ禍、物価高騰に加えインボイスによる負担も相まって社会保険料を支払えない企業が増加しています。
ところが社会保険料を滞納している事業所に対して、年金事務所が頻繁に強権的な差押えを行っており、その数は2023年12月末時点で3万4千件に上りました。
いわゆる社保倒産が大きな社会問題になっています。
社会保険料徴収の実態
社会保険料に関する差押えについては国税庁の規定に準ずるとされています。
国税庁基本通達47の17(2)においては「滞納者の生活の維持又は事業の継続に与える支障が少ない財産であること」と定められています。
ところが実際には、「一年で完納」や「一括納付」を迫り、一度でも滞納すれば即差押えという事態が横行しています。
強権的徴収を巡る答弁
国税庁では社会保険料の徴収に関しては「最長で4年の猶予が認められる」と回答しており、厚労省も「国税庁と同様」との見解を示しています。
また、財務省でも「納税者を破綻に追い込む徴収は妥当性を欠く」という姿勢です。
民商での取り組みと対応
民商にも社会保険料の滞納に関する相談が寄せられています。
猶予を設ければ十分納付できるにも関わらず、不条理な徴収・差押えが強行されている場合は、年金事務所宛てに嘆願書と返済計画書を提出します。
それでも猶予が認められないケースでは、国会答弁を基に年金事務所へ指導してもらうよう厚生労働省に約束を取り付けてあります。
目黒民商への相談
社会保険料の滞納に関して目黒民商に問い合わせたAさんの例です。
「コロナ禍などもあって売り上げが大幅に落ち、社会保険料を一年滞納していた。
自身の給与を下げたり、人員の整理をすることでなんとか月々納付と返済ができる見込みは出来たが、会社の口座や売掛金などが差し押さえられてしまった。
年金事務所に相談はしたがそもそもまともに取り合ってもらえない」
目黒民商では現在、Aさんの相談について年金事務所に働きかけるよう取り組んでいます。
第74回定期総会開催
24年6月30日、目黒民商事務所にて「目黒民商第74回定期総会」が開催されました。
小松克一郎会長の開会の挨拶に続いて、方針案の提案、財政報告、労働保険業務報告、会計監監査の報告が行われました。
日本共産党吉良よし子・山添拓事務所、目黒区労働組合総連合、世田谷税経センター、品川民商、大田民商などから連帯のメッセージを頂きました。
討論と意見交流が行われ、最後に諸議案の採択と、小松会長、宮城事務局長など役員を選出し終了しました。
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